こういった思いを持たれている方のためにMacでPythonの開発環境を構築する方法について解説します。
- MacにPythonの開発環境を導入できる
Python環境設定
それではMacにPythonを導入する方法について解説していきます。
手順
まずはPython導入の大きな流れを確認しておきましょう。
Pythonの導入手順は以下になります。
- ターミナルを開く
- Homebrewのインストール
- Pyenvのインストール
- Pythonのインストール
今回はPyenvというPythonのヴァージョン管理が簡単に行えるツールを用いてPythonをインストールいていきます。
なおPyenvを利用するにはHomebrewというツールを使用する必要があるので、Homebrewもインストールします。
それでは実際に以下でPython導入を行なっていきましょう。
ターミナルを開く
まずは様々なツールのインストールを実行する命令を出すために使われるターミナルを開きます。
ターミナルは「Finder」>「ユーティリティ」>「ターミナル.app」で立ち上げることができます。
「ターミナル.app」をクリックすると以下のような画面が表示されます。
ターミナルが立ち上がったら以下のコマンドを入力してEnterを押しましょう。
python --version
現在、使用できるPythonのバージョンが表示されます。
私の場合はPython3を導入しているため、「Python 3.8.4」と表示されています。
何もしていない状態だと「Python 2.〇.〇」と表示されます。
実はPythonには大きく分けて「Python2系」と「Python3系」の2つのヴァージョンがあります。
現在、幅広く使われているのは「Python3系」です。
「Python2系」と「Python3系」は文法が違います。
これからPythonを使う人は「Python3系」を導入しましょう。
「Python3系」を導入する方法は以下になります。
Homebrewのインストール
まずはHomebrewというツールを導入していきます。
以下のコマンドを入力してください。
brew -v
Homebrewが既にインストールされている場合、以下のような画面になります。

まだHomebrewがインストールされていない場合には、「brew: command not found」と表示されます。
既にインストールされている方は「Pyenvインストール」まで記事を読み飛ばしてください。
インストールされていない場合は、以下のコマンドを打ち込んでください。
/usr/bin/ruby -e "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/master/install)"
以上のコマンドを実行すると、途中で「Enter」を押すことを求められることがありますが、指示にしたがって「Enter」を押してください。
また途中で「パスワード」の入力を求められることもあります。
パスワードは普段、Macにログインする時に使っているパスワードと同じですので、入力してください。
インストールにはしばらく時間がかかりますが、お待ちください。
インストールが終わったら以下のコマンドをコマンドを打ち込みましょう。
brew -v
以下のような「Homebrew ○.○.○」という表示がなされれば、インストールは完了です。

pyenvのインストール
続いてPyenvをインストールしていきます。
まず以下のコマンドを実行してください。
pyenv -v
以下のような画面が表示された場合、Pyenvが既にインストールされています。
「Pythonのインストール」という部分まで読み飛ばしてください。

「pyenv: command not found
」と表示された場合は、まだPyenvがインストールされていません。
以下のコマンドを実行してインストールしましょう。
brew install pyenv
インストールが完了したら以下のコマンドを実行してください。
pyenv -v
以下のような画面になります。

続いて「Pythonのインストール」を行う前に、Pyenvの設定を行います。
以下のコマンドを実行してください。
echo $SHELL
実行結果が「/bin/bash
」だった場合には以下の4つのコマンドを実行してください。
echo 'export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv"' >> ~/.bash_profile
echo 'export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"' >> ~/.bash_profile
echo 'eval "$(pyenv init -)"' >> ~/.bash_profile
source ~/.bash_profile
実行結果が「/bin/zsh」だった場合
には
、以下のコマンドを実行しましょう。
echo 'export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv"' >> ~/.profile
echo 'export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"' >> ~/.profile
echo 'eval "$(pyenv init --path)"' >> ~/.profile
echo 'export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv"' >> ~/.zprofile
echo 'export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"' >> ~/.zprofile
echo 'eval "$(pyenv init --path)"' >> ~/.zprofile
echo 'eval "$(pyenv init -)"' >> ~/.zshrc
source .profile
source .zprofile
source .zshrc
以上のコマンドを実行することでPyenvでインストールしたPythonを使えるように設定が行えました。
Pythonのインストール
ここまででPythonをインストールする準備が整いました。
ここからはPythonをインストールしていきます。
まずは以下のコマンドを実行してください。
pyenv install --list
実行結果は縦長です。
画面を上にスクロールしていくと以下のような表示が現れます。

ここに出てきた数字、例えば「3.8.4」はPyenvを用いてインストールできるPythonのヴァージョンになります。
表示されている数字のヴァージョンであればどれでもインストールすることができますが、今回は「3.8.4」をインストールします。
(「3.8.4」がない場合は、表示された他のヴァージョンをインストールしてください。やり方は以下でご紹介するコマンドの数字部分を変更するだけです。)
以下のコマンドを実行しましょう。
pyenv install 3.8.4
インストールが完了したら以下のコマンドを実行してみてください。
pyenv versions
以下のような画面が表示されます。

「3.8.4」が表示されていればPythonのインストールは完了になります。
しかしこのままだとデフォルトでインストールされているPython2系が使われてしまします。
PyenvでインストールしたPython3系を使用するために以下のコマンドを実行しましょう。
pyenv global 3.8.4
これでPython3系が利用できるようになりました。
以下のコマンドを実行してみてください。
python --version
以下のように「Python 3.〇.〇」と表示されればきちんと設定が完了しています。

以上でPythonのインストールは完了です。お疲れ様でした。
pyenvでパスが通らない時
「Python –version」というコマンドで「Python 3.〇.〇」と表示されなかった場合には、以下のコマンドを実行してみてください。
$ brew unlink pyenv
次に以下のコマンドを実行してみてください。
$ brew link pyenv
もう一度以下のコマンドを実行してみてください。
python --version
Pythonを動かしてみよう!
では実際にPythonを動かしてみましょう。
ターミナルに以下を打ち込んでEnterを押してください。
python
Pythonが実行される準備が整いました。
続いて以下の計算式や命令文を順に打ち込んでみましょう。
1 + 1
2 * 2
print('hello world')
以下のような結果が出力されます。

「2 * 2」は掛け算です。
「print()」はPythonで文字列を出力するための命令文で、今回の場合「’hello world’」という文字列が出力されていることが確認できます。
Pythonを使って計算や文字列出力ができました。
以上でPython環境の構築は終了になります!